研究概要 |
1、Human ANP遺伝子を組み込んだ発現型ベクターの精製 ヒト心臓cDNAライブラリーより、ANP遺伝子マップ(Nature,309:724,1984)より考察された適当な プライマー hANPs,5'-GATCTCTAGATGCTCCTTGACGACGCCAGC-3',hANPas,5'-GATCTCTAGAGTCCTCCCTGGCTGTTATCT-3' を用いて、Polymerace chain reaction(PCR)法でhumanANPcDNAを作製した。これをCytomegalovirus(CMV)プロモーターを有する発現型ベクター(pRc/CMV)に組み込み、宿主細胞(E.Coli)にトランスフォームし増殖させた後、精製した。 2、持続型ANP発現細胞株樹立によるANP発現ベクターの評価 精製されたhumanANP発現型ベクター(pRc-hANP)を、Chinese Hamster Ovary(CHO)細胞にカルシウムリン酸法によってトランスフェクションし、G418でクローンを選択した。得られた各クローンのANPmRNA発現及び蛋白合成能をそれぞれNorthern blot analysis,Radioimmunoassay法により評価した。 (1)Northern blot analysis 持続型ANP発現細胞の各クローンのTotal RNAをグアニジン-塩化セシウム法で抽出し、1、2%アガロースゲルで電気泳動後、ナイロンメンブレンにブロッテイングした。ハイブリダイゼイションはpRc-hANPを制限酵素処理によって得たANPcDNAをプローブとして、ランダムプライムラベリング法で行った。持続型ANP発現細胞株は対照(親株、及びTGFβ発現細胞株)に比べ、明らかなANPmRNA遺伝子発現が得られた。 (2)Radioimmunoassay 持続型ANP発現細胞の培養上清から、ANP蛋白をカラム抽出し、Radioimmunoassay kitで測定した。20-120pg/mlの濃度で定量可能であった。
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