研究概要 |
【目的】一酸化窒素(NO)の肺血管透過性に及ぼす作用を知るため外因性にNOを産生するNO-donor(ニトログリセリン:NTG,SNAP)を投与した場合あるいは内因性のNO産生を合成阻害剤であるL-NAMEで阻止した場合,H2O2によるウシ肺動脈血管内皮細胞(PAEC)のアルブミンに対する透過性亢進作用がいかに影響されるか,また, その作用がcGMPを介したものであるか否か検討した. 【方法】PAECを培養したmicro-porous filterによって上層と下層に分離されるchamberを用い,上層に添加した^<125>Iでラベルしたアルブミンの下層への移行を測定し血管透過性の変化を判定した. 【結果】H2O2による透過性の亢進は,NTGまたはSNAPによってPAECを前処置することで抑制された.これらの薬剤によって,細胞内のcGMPは増加した。また,直接8-bromocGMPで前処置しても同様な抑制効果が得られた.L-NAMEによって内因性のNO産生を抑制してもH2O2の透過性亢進作用は影響されなかった。 【総括】外因性のNOは、cGMPの産生を介してH2O2による血管透過性亢進を抑制した.
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