• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

心筋虚血再潅流障害における細胞内プロテアーゼの役割

研究課題

研究課題/領域番号 06770492
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関大阪大学

研究代表者

松村 泰志  大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252642)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードstunned myocardium / protease / α-actinin / desmin / spectrin / immunohistochemistry / Ca overload
研究概要

心筋は、短時間の虚血後再潅流により、壊死には至らないが一過性の収縮不全を示す(stunned myocardium)。現在まで、stunned myocardiumの収縮不全は、収縮機構のCaに対する反応性の低下によること、虚血再潅流時のCaオーバーロードが重要な役割を担うことが明らかにされてきた。我々は、プロテアーゼ阻害剤の投与によりstunningが軽減されることにより、虚血再潅流時のCaオーバーロードによりCa依存性プロテアーゼが活性化され収縮蛋白に変化が生じるとの仮説をたてた。平成5年度奨励研究の援助により、60分虚血再潅流心より精製したmyofibrilを蛋白電気泳動法で解析し、Zバンドの構成蛋白の一つであるα-actininが減少していること、また、desmin、spectrinにも同様の変化があることが明らかとなった。そこで、本研究では、stunned myocardiumにおいてこれらの構造蛋白に変化があるか否か、その変化と収縮不全との関連性について検討した。モルモット摘出潅流心を用い、15分のglobal ischemia後再潅流してstunned myocardiumのモデルを作成した。血行動態計測後、心臓を-80℃に急速凍結し、α-actinin、desmin、spectrinに対する抗体を用い免疫組織学的手法により検討した。非虚血コントロール心では、α-actininはZバンドに、desminはZバンド及び介在板に、spectrinはZバンド及び細胞膜に染色性を示した。stunned myocaridumでは、心筋の一部にこれらの抗体で染色されない部分が存在し、その領域はいずれの抗体の染色でも一致していた。この染色性低下域の面積と再潅流後の発生圧の回復率との関係を非虚血コントロール心、15分虚血及び20虚血再潅流心で調べたところ、両者の間には良好な相関関係が認められた。この非染色域は、15分虚血後再潅流しなかった心筋では認められず、また、Caを含まない液で再潅流した場合にも認めなかった。また、プロテアーゼ阻害剤leupeptinの投与により、染色性低下域の面積が縮小され、その程度に応じてstunningが軽減された。以上より、stunned myocardiumでは、心筋の一部でZバンド周辺の構造蛋白に変化が生じており、収縮不全の一因と考えられること、この変化には、再潅流時のCaオーバーロードに伴う細胞内プロテアーゼの活性化が関与する可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yasushi Mastumura: "Changes of structure proteins in stunned myocardium" Heart and Vessels. (in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 松村泰志: "スタン心筋における心筋構造蛋白の変化" Jpn Circ J. 59. 476 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 堤 正二: "心筋虚血と細胞骨格" 細胞. 27. 8-12 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Matsumura: "The mechanisum of myocardial cell injury induced by intracellular calcium overload in reperfused heart" Pathophysiology. 1. 307 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Atsushi Hirayama: "Effect of successful angioplasty following throumbolysis on infarct size and left ventricular function" International Journal of cardiology. 47. S39-S47 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi