1:心房型ミオシン軽鎖1に対する特異的モノクローナル抗体、心房型および心室型ミオシン軽鎖1を認識するモノクローナル抗体、心室型ミオシン軽鎖1に対する特異的モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、それぞれBalb/cマウスの腹空内に注射し、それぞれの抗体の腹水を得た。 2:心房型ミオシン軽鎖1に対する特異的モノクローナル抗体を用い、直接酵素抗体法で、ヒト胎児心臓(7-12週;10例、20週;1例、32週;1例、38週;1例)、ヒト乳児心臓(11カ月週;1例)、ヒト幼児心臓(5才;1例、7才;2例)、ヒト成人心臓(10例)の左右心房、心耳、左右心室の心外膜側、心内膜側および心室中隔左室側、右室側および刺激伝導系を、免疫染色した。また、心房型ミオシン軽鎖1の酵素抗体測定法を用いて、ヒト成人心臓の各部位における組織中の心房型ミオシン軽鎖1濃度を測定し、ヒト心臓の発育過程における心房型ミオシン軽鎖1の発現と分布の変化を検討した。 3:免疫染色と酵素抗体測定法を用いて、ヒト正常心室筋(12例)、ヒト急性心筋梗塞心室筋(10例)、ヒト陳旧性心筋梗塞心室筋(15例)を対象に、心房型ミオシン軽鎖1の発現と分布を解析した。正常心室筋では、心外膜側、心内膜側で、急性心筋梗塞心室筋および陳旧性心筋梗塞心室筋では、梗塞部位、非梗塞部位の心外膜側、心内膜側で解析した。 4:免疫染色を用いて、剖検で得られた正常心室筋(コントロール、10例)、左室生検で得られた拡張型心筋症患者心室筋(15例)を対象に、心房型ミオシン軽鎖1の発現と分布を、血行動態、心筋細胞径と比較検討する。心房型ミオシン軽鎖1の発現と血行動態、心筋肥大との関係を明らかにした。 5:心室型ミオシン軽鎖1に対する特異的モノクローナル抗体を用い、直接酵素抗体法での免疫染色を確立し、心室型ミオシン軽鎖1の発現と分布を検討した。
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