研究概要 |
ラット5匹を用いて検討した。心臓を摘出し、Langendorff手技を用いて、Krebs-Henseleit bufferで冠血流15ml/分の定量灌流を行った。左室機能の指標として左室圧、左室圧微分値を測定した。92%02/5%CO2(control;C)、CO2 100%(anoxic;A)各々の混合ガスと灌流液を平衡させてC液、A液を作成した。短時間の虚血、再灌流の状態をつくるため、C液で定常灌流後、A液で10-30分灌流して低酸素刺激を行い、さらにC液で2-3時間の灌流を行った(再灌流群;N=3)。一方、対照群としてC液で2-3時間の灌流のみを2匹で行った。経過中の灌流流出液内のNOをluminol H202 chemiluminescence methodsを用いて経時的に定量した。再灌流群では低酸素刺激により流出液中のNOは増える傾向を示し、更に再灌流後も遷延した。対照群では変化を認めなかった。実験終了後心筋を凍結保存し、心筋内のc-GMP量をradioimmunoassayで、またconstitutive及びinducible NOS活性(cNOS,iNOS)をL-Citrulline法で定量した。再灌流群ではc-GMP量の上昇がみられ、iNOS活性の発現も高まる傾向を示した。cNOS活性は明らかな変化がなかった。再灌流群中1匹でiNOSのm-RNAをノーザンブロット法を用いて検討し、iNOSの発現が促進されている事が確認できた。
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