血管内皮細胞遊走能 Boyden chamber変法による検討で、川崎病患児血漿が血管内皮細胞に対して有意な遊走促進作用を示すことを確認した。患児血漿中の遊走因子として、患児血漿中に上昇が認められたIFN-gamma、IL-1beta、IL-6、TNF-alphaなどの関与が示唆された。そこでrecombinant IFN-gamma、IL-1beta、IL-6、TNF-alphaを用いて同様に遊走実験を行ったところTNF-alphaをのぞいてほぼ濃度依存的に遊走促進作用をしめすことを確認した。現在、熱ショックを加えた状態での遊走性の変化について検討するために、ストレスの程度による細胞のviabilityについてデータを取っている。 血管内皮細胞によるprotease産生 collagenを含むSDS-polyacrylamide gelを作成し、患者血清や各種サイトカイン(IFN-gamma、IL-1beta、IL-6、TNF-alpha)を作用させた血管内皮細胞の無血清培養上清を遠心濾過濃縮し、その濃縮液を電気泳動した。泳動後ゲルをCoomassie Brilliant Blue R-20で染色した。結果的には60-90kdの範囲においてcollagenが消化されたと考えられるnegative bandを2-3本検出し得た。現在、再現性及びproteas同定の準備を始めている。 血管内皮細胞のcollagenase mRNA発現 protease(collagenase)mRNAの塩基配列検索からprimer/probeの候補を検討している。primerを一つ作成したが、PCRによる良好な結果はまだ得られていない。
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