1。ヒト胎児脳のcDNAライブラリーを(CAG)の三塩基対繰り返し配列を持つブライマ-とファージベクターのプライマーでPCRし、(CAG)三塩基繰り返し配列をもつ遺伝子をスクリーニングし、プラスミドに組み込み、大腸菌を形質転換し、クリーニングした。クローニングした遺伝子の塩基配列を決定し、ホモロジー検索を行った。 その結果、(CAG)の三塩基対繰り返し配列を持つ既知の遺伝子4個と、未知の遺伝子が20個検出された。これらの遺伝子の一部について、FISH法で染色体上の位置を決定した。現在、残りの遺伝子について、FISH法を行うとともに、それらの遺伝子の機能を解析している。 2。家族性の精神遅滞を有する患者より、リンパ球分離し、DNA抽出した。DNAを制限酵素(EcoRI)処理し、サザンブロットし、StB 12.3をプローベとして脆弱X染色体遺伝子上の(CCG)の三塩基対繰り返し配列の延長の有無を検討した。 32家系を検討したところ、(CCG)三塩基対繰り返し配列の延長を示したものはなく、FRAXAの異常による脆弱X症候群は検出されなかった。よって、脆弱X染色体の頻度は低いものと推定された。
|