研究概要 |
5%デキストラン硫酸ナトリウム(以下DSS)溶液をラットに7日間自由飲水させて、潰瘍性大腸炎(以下UC)モデルラットを作製し,エイコサペンタエン酸(以下EPA)および抗アレルギー剤の投与が大腸粘膜におけるロイコトリエン(以下LT)産生能や粘膜微小循環に及ぼす影響を検討した。 1抗アレルギー剤であるアゼラスチンおよびトラニラストの経口投与により、UCモデルラットの大腸粘膜でのLTB_4およびLTC_4産生能が濃度依存的に抑制された。しかし、EPAの投与ではLTB_4およびLTC_4産生能に変化は認められなかった。 2抗アレルギー剤の経口投与によりUCモデルラットの大腸粘膜血流の低下は抑制傾向を示したが,EPAの投与では大腸粘膜血流の変化は認められなかった。 UCモデルラットでは,大腸粘膜血流は低下しておりうっ血の状態にあると考えられた。抗アレルギー剤は大腸粘膜からのLT産生能を抑制することにより、うっ血による組織障害を軽減させる効果があると考えられた。
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