1.当科で経過観察中の小児期発症の慢性特発性血小板減少性紫斑病の患者より、患者さんまたは保護者の承諾の上で、末梢血を約50ml採血した。抗凝固剤としてはヘパリンを用いた。 2.単核球の分離:CD5+B-cellは小児では約2-8%程度しか存在しないため、CD5+B-cellを分離、培養するためには約5×10^7の単核球が必要であるため、その分離効率をあげるため各種分離試薬を試した。 3.CD5+B-cellの単離:当初は単核球よりE-rosette沈降法によりB細胞を分離し、これに抗ヒトCD5-マウスモノクローナル抗体を反応させ、さらに抗マウスIgGをcoatingしたmagnet immunobeadsによりCD5+B-cellを分離する予定であったが、E-rosette沈降法ではT細胞の除去が完全にはできず、また再現性も低いため、現在はCD19-coatingimmunomagnetic beadsを用いてB細胞を分離し、これに抗ヒトCD5-マウスモノクローナル抗体を反応させ、さらに抗マウスIgGをcoatingしたmagnet immunobeadsによりCD5+B-cellを分離する方法、ならびにフローサイトメーターをもちいたCD5+B-cellの単離を試みている。 4.抗血小板抗体の検討:分離した細胞に0.01%staphylococcus aureus CowanI、およびIL-6を添加し、5%co_2下で7日間培養し、培養上清中の抗血小板抗体をavidin-biotin-peroxidase complexを使用したwestern blottingにより検出を試みているが、非特異反応が強く、解析に値するデータがまだ得られないため、今後はラジオアイソトープを用いたwestern blottingにより検討する。
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