研究概要 |
本年度は、(1)エラスチン代謝異状で疑われている皮膚疾患(弾力線維性仮性黄色腫.早老症など)及び(2)皮膚線維性腫瘍について、(1)病的な異状の有無(2)'良性悪性の鑑別点となるパターンが存在するか否かについて明らかにすることを目的とした。 まず生検材料、手術材料よりm-RNAを抽出し(腫瘍部or病変部、周辺正常部)C-DNAを合成後、エラスチン遺伝子の中のエクソン22,23,24,26A,32,33のスプライシングを検索するために設定したプライマーを用いて、PCR法を行った。電気泳動により、合成産物の塩基長の違い、パターン、特定バンドの消失の有無を調べた。本年度は、上記(1)に相当する患者がいなかったため、(2)については皮膚線維腫、持久性隆起性皮膚線維肉腫について検討した。その結果、両者側に今のところ明らかに有意と思われる違いを見い出すことはできないでいる。この点についてはさらに他のエクソンについての検討や、また点突然変異などの微小な変化の存在している可能性もあり、症例を増やすと共に上記の点について検討を進めている。
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