近年、各種アレルギー疾患の病態に活性型好酸球の関与があることが注目されている。我々は既にアトピー性皮膚炎、水疱症類天疱瘡などでは、好酸球の低比重化、あるいは形態学的変化が惹起されることを報告した。そこで、今回は、活性型好酸球の固定に役立つことが報告されてるEG2抗体(抗ヒトECPモノクローナル抗体)を用いて、多くの好酸球増多を認める皮膚疾患について、EG2染色を試み、好酸球の検討を加えることを研究目的とした。又、このEG2抗体を用いて免疫電顕により、上記疾患の末梢血好酸球における低比重好酸球、正比重好酸球の顆粒に対する特異性の再検討と変動の検索、および細胞質内での変動の検索を行うことを目的とする。 1.アトピー性皮膚炎、水疱性類天疱瘡、色素失調症患者のヘパリン加静脈血と皮膚部生検皮膚を実験材料とする。density gradientにより、比重1.068g/mlから、1.102g/mlまで比重分離し、それぞれの分画好酸球を回収する。 2.各比重毎の数の変動を観察するとともに電顕より形態学的変化を観察する。 3.各分画好酸球に対し、分泌型ECP及びEDN/EPXに特異的に反応するEG2抗体を用いて、末梢型血好酸球を通常のABC法により、免疫組織化学的に検討する。 4.また、分画好酸球の免疫電顕用試料作成を行う。0.1M cacodylate butter PH7.3を含む3%glutaraldehydeで固定を行い、洗浄、脱水後、Epoxy Resin SPURRにて包理、超薄切片を作成し、Immunoglobuline gold colloid staiming法により、Uranyl acetateにて単染し、電子顕微鏡観察を行う。
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