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小型肝細胞癌のDynamic CTを利用した診断能向上の試み

研究課題

研究課題/領域番号 06770738
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 放射線科学
研究機関久留米大学

研究代表者

内田 政史  久留米大学, 医学部, 助手 (50168704)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード肝細胞癌 / Dynamic CT / Helical scan
研究概要

Incremental DynamicCT(ID)とHelical Scanを用いた肝臓全体のDynamic study(HD)を施行し、それぞれの方法の小型肝細胞癌の診断における有用性について検討した。対象は最大径30mm以下の生検または手術にて診断された小型肝細胞癌において、IDで30例、HDで28例の計58例である。装置は高速CT ProSeed(横河)を用い、IDはX線ビーム幅10mm、スキャン間隔10mm、1秒スキャン、1秒テーブル移動の条件で撮影を行い、HDはX線ビーム幅10mm、8mmテーブル移動/秒として撮影を行った。造影剤(オムニパーク300)は体重(Kg)×1.4ml(最大100ml)を自動注入器を用いて3ml/秒の条件にて前腕の静脈より注入し、早期相(動脈相)として注入後30秒より撮影し、後期相(実質相)として120-140秒後より撮影を施行した。IDとHDでのそれぞれの腫瘍の描出率と診断率について検討を行なった。
腫瘍描出率は、IDでは全体で87%、10mm以下では71%であり、HDでは全体で79%、10mm以下では25%であった。腫瘍診断率はIDでは全体で73%、20mm以下では67%であり、HDでは全体で68%、20mm以下では59%であった。ID,HDいずれも腫瘍径が20mmより大きいものでは、高い腫瘍描出率、診断率が得られていたが、腫瘍径が小さくなるほど、特に10mm以下では描出、診断率ともに低下していた。これは腫瘍径が小さくなるほど、高分化な肝細胞癌が多くなり典型的な肝細胞癌の形態と血行動態を示さなくなるためと考えられた。IDとHDとの比較では、腫瘍描出、診断率ともにIDの方が高かったが、これは画質の差によるものと考えられた。
高速CTによる肝臓全体のDynamic Studyは小型肝細胞癌の診断に有用であり、必須の検査である。HDはその高速性にて簡易に広範囲の撮影が可能であり、呼吸停止時間もIDより短時間ですむことから被験者の負担も軽く、肝臓領域においても有用性は高いが、さらなる画質の改善が望まれるものと思われた。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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