研究概要 |
今年度はセロトニン(5HT)-2およびβアドレナリン・レセプターの相互作用とこれに及ぼす抗うつ薬の効果について調べた。標本はラットの大脳皮質のスライスを用いた。抗うつ薬を3週間投与後、ラットを断頭しスライスを作成した。このスライスをO_2/CO_2ガスの中でインキュベートした。その後5HT-2レセプターのアゴニストである5HT,DOIでスライスの細胞膜表面にある5HT-2レセプターを刺激しセカンドメッセンジャーである細胞内イノシトール・リン脂質を測定した。測定には[3H]myo-inositolとイオン交換樹脂を用いた。5HT,DOIは有意に細胞内イノシトール・リン脂質を増加させた。抗うつ薬であるamitriptyline、miaserinはこの反応を有意に減少させた。それ故、抗うつ薬の抗うつ効果においては5HT-2レセプターが重要な働きをしていると考えられる。βアドレナリン・レセプターについては現在研究中である。
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