研究概要 |
我々は偽常染色体領域の4つのDNAマーカー、DXYS17、DXYS28、MIC2、DXYS20(いずれも遺伝子座はXp22,Yp11)、ドーパミンD2レセプター遺伝子(11q22-23)、ドーパミントランスポーター遺伝子(5p15.3)、セロトニン1Aレセプター遺伝子(5cen-q11)、セロトニン2レセプター遺伝子(13q14-21)を用いて精神分裂病との相関研究を行い、その結果、セロトニン2レセプター遺伝子以外の7つの遺伝子では、遺伝子型および遺伝子頻度に、精神分裂病群と正常対照群の間で有意差は認められず、これら7つの遺伝子と精神分裂病の間に相関は認められなかった。セロトニン2レセプター遺伝子では、その一部をPCR法により増幅し、そのPCR産物を制限酵素MspIで切断すると、MspIの認識部位をもたない342塩基のバンドA1と認識部位をもち216塩基と126塩基の2つのバンドが認められるA2という多型性がみられる。この多型性を精神分裂病群と正常対照群で比較したところ、遺伝子型ではA2/A2の頻度が精神分裂病に有意に高く、遺伝子頻度では、A2が精神分裂病群に有意に高くみられた。すなわち精神分裂病とセロトニン2レセプター遺伝子との間には有意な相関がみられた。 さらに精神分裂病患者の脳から得られた抗脳抗体遺伝子WH4を用いて精神分裂病群と正常対照群との間で相関研究を行なっている。
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