研究課題/領域番号 |
06770785
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
江本 浩幸 久留米大学, 医学部, 助手 (80231190)
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研究分担者 |
横尾 秀康 久留米大学, 医学部, 講師 (00174847)
吉田 眞美 久留米大学, 医学部, 助教授 (50148285)
田中 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | CRF / ノルアドレナリン / 脳内透析法 / 青斑核 / 扁桃核基底外側核 / 前視床下部 / 行動変化 |
研究概要 |
corticotropin-releasing factor(CRF)の脳内 noradrenaline(NA)神経系に対する影響を検討するために脳内透析法を用い、CRFの脳内局所灌流による青斑核(LC)、扁桃核基底外側核(BLA)、前視床下部(AHT)におけるNA放出の定量を行った。同時にその際引き起こされる行動変化を観察しCRFによって生じる不安や恐怖といった負の情動発現との関連を検討した。 CRF5×10^<-5>Mを25分間灌流したところ、灌流時間中前部位においてNA放出の有意な増加が認められた。LCでは灌流後約15分間は毛づくろい行動、探索行動といった自発運動の亢進が認められたがそれ以降はすくみ行動が出現し灌流終了まで持続した。AHTでは灌流後より著しい毛づくろい行動が出現した。BLAにおいては灌流中行動変化は観察されなかったが、灌流終了後より探索行動また毛づくろい行動が引き起こされその変化は約25分間持続した。 以上の結果から、CRFはNA細胞体のみならず、その神経終末においても賦活的に働きNA放出を引き起こすことが示唆された。またLCを灌流した際に発現したすくみ行動は不安や恐怖といった情動変化を反映していると考えられた。動物がストレスに暴露された時に生じる覚醒レベルの変化を正常化するための行動としても意味づけられている毛づくろい行動がAHTを灌流した際に著明に亢進したことはCRFがストレス反応を惹起する引き金としての役割を果たしていることとの関連性を示唆させた。BLAはCRF受容体が多数存在し、扁桃核中心核のCRF細胞体の活性を抑制することが電気生理学的に示されている。よってBLAの灌流がCRF細胞体の神経活動を抑制することにより灌流中の行動発現を抑制し、灌流後の自発行動の出現はその神経活動の抑制が解除されたことにより相対的にCRFの神経活動が促進された結果かもしれない。
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