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NMR法を用いた精神分裂病・神経発達障害仮説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 06770790
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

白山 幸彦  国立精神・神経センター, 神経研究所, 研究員 (20261191)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードin vivo 31P-NMR法 / 絶対定量 / 精神分裂病 / 神経細胞膜リン脂質 / 高エネルギーリン酸化合物 / 神経発達障害仮説
研究概要

本研究の目的は、NMR法を用いて分裂病患者脳における神経細胞膜の異常、脳内代謝の異常を探り、精神分裂病・神経発達障害仮説の検証することである。NMR測定には国立精神・神経センターにおいて開発された2テスラ・高磁場ヒト全身用NMR装置を使用した。ヒト脳の31P-NMRスペクトルでは線幅の広い成分が狭い成分に重乗するため、信号強度の定量性を損なわずにスペクトル分解能が向上するように、信号の後処理をNMR1ソフトを使い最適化した。0.3-30mMのリン酸のファントムを用いて、選択領域ISIS法(約125ml)で測定し、検量線を作成した(r=0.996)。対象は、健常人男性4名、女性5名の計9名である。前頭葉を選択領域(約125ml)に設定し、領域選択ISIS法を用いて31P-NMRを測定した。測定条件は、繰り返し時間3秒、加算回数1024回、全所要時間は約90分間である。細胞膜リン脂質の前駆物質であるフォスフォモノエステルの各構成成分であるα-グリセロフォスフェイト(α-GP)、フォスフォリルエタノールアミン(PE)、フォスフォリルコリン(PC)、崩壊物質フォスフォジエステルの各構成成分であるグリセロフォスフォリルエタノールアミン(GPE)、グリセロフォスフォリルコリン(GPC)、高エネルギーリン酸化合物であるフォスフォクレアチン(PCr)、α-、β-、γ-ATP、無機リン、の計10個のピークについて分析を行った。また、α-GP、PE、PC、GPE、GPC、PCr、等の水溶液(pH=7.0)を含むファントムを作成し、PCrを基準に化学シフト値を求めた。定量法はLuytenらの方法を基に改良を加えた。ピーク面積は非線形最小自乗法を用いたカーブフイッッテイングにより求めた。その際に、各々の化学シフト値を固定した。各成分のT1値は文献値を用い、飽和定数を求め強度を補正した。絶対濃度は、外部基準を仲介にして、10mMリン酸のファントムから被験者と同一の領域選択下で測定して得られた検量線から求めた。結果(mM、平均±標準偏差)は以下の通りであった。α-GP=0.11±0.02;PE=0.85±0.05;PC=0.75±0.04;Pi=1.56±0.06;GPE=1.21±0.05;GPC=1.37±0.06;PCr=3.26±0.11;ATP=2.23±0.08。PCr、Pi、ATP、の値は、文献値とよく一致した。従って、本研究によりはじめて分離定量されたα-GP、PE、PC、GPE、GPC、の値は妥当なものであると考えられる。分裂病の軽微な差異を検出するためには更なる精度が必要である。そのために、外部基準に緩和試薬を混入させることや、α-GP、PE、PC、GPE、GPC、各々のT1値と半値幅を求めることを検討している。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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