研究課題/領域番号 |
06770792
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 和広 東北大学, 医学部, 助手 (80241628)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | PACAP / Pituitary adenylate cyclase activating polypeptide / adrenal / hypothalamus / vasopressin / pheochromocytoma / neurofibromin |
研究概要 |
下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)に関してつぎの検討を行った。 1、ラジオイムノアッセイと免疫染色にて褐色細胞腫、神経芽細胞腫、神経節芽腫の腫瘍組織中のPACAPの検討。2、ヒト脳における存在、特に視床下部における局在とバゾプレッシン産生細胞との関係。3、ラット褐色細胞腫の培養細胞であるPC12に対する効果。 褐色細胞腫13例からは、0.5から57.5pmol/g wet weight(24.5±22.4pmol/g wet weight,平均±SD)、神経芽細胞腫1例からは、111pmol/g wet weight、神経節芽腫3例からは、20.0±5.7pmol/g wet weightの高濃度のPACAPが検出された。ヒト副腎正常部分にも、3.58±2.02pmol/g wet weight(n=7)の高濃度のPACAPが存在していた。免疫染色では、これらの腫瘍の約半数に陽性細胞が認められた。ヒト脳組織では検討したいずれの領域にも高濃度のPACAPが存在し、特に視床下部で高濃度であった(8.5±3.8pmol/g wet weight)。視床下部の免疫染色では、室傍核の大細胞と小細胞、視索上核に陽性細胞が観察された。室傍核と視索上核の大細胞でバゾプレッシンとの共存がみられた。PC12細胞に10^<-8>Mから10^<-9>MのPACAPを添加した際に、nerve growth factorと同様に神経突起の伸長がみられた。この際ニューロフィブロミン(neurofibromatosis type1 gene product)のmRNAの発現の変化をS1マッピング法で検討したが、変化はみられなかった。 以上の検討により、PACAPは脳や副腎に高濃度存在し、神経伝達物質、修飾因子、下垂体ホルモン制御因子として働いているとともに、神経成長因子として働く可能性が示唆された。
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