キサンチン尿症のキサンチンオキシダーゼ欠損の原因を明らかにするため、キサンチンオキシダーゼ遺伝子の解析を行った。 1 キサンチン尿症のキサンチンオキシダーゼ遺伝子の変異部位の同定 ヒトキサンチンオキシダーゼcDNAの塩基配列よりプライマーを合成し、PCR-SSCPをキサンチン尿症患者5例に対し施行し変異部位を推定することを試みたが、泳動に差を認めなかったためPCR-SSCPでは今回変異を検出できなかった。次にキサンチン尿症の一症例に関し、末梢白血球よりRNAを抽出し同様にcDNAを元に作成したプライマーを用いRT-PCRを施行した。9種類のプライマーのセットにより全長4kbをカバーするcDNA断片を得ることに成功した。これらをサブクローニングしsequenceを行った。その結果アミノ酸置換を起こす四カ 所の点変異を認めた。その内一ケ 所は確認のため行ったdirect sequenceにより変異を認めなかった。二ケ 所に関してはラット等では元々今回の点変異と同じ配列であり、酵素活性消失の原因とは考えにくかった。残りの一カ 所はドロソフィラからラット・ヒトに至るまで良く保存されており、この点変異がキサンチン尿症の原因と考えられた。現在このアミノ酸置換を持った酵素の発現系を作成中であり、これによりキサンチン尿症の異常の原因が今回認められた点変異であることを確認する。これらの内容に関してまだ論文となっていないため、具体的変異部位について本報告書では言及しなかった。なお一部4月の学会において発表予定である。 2.キサンチンオキシダーゼ発現系の確立 現在上述のごとくアミノ酸置換されたキサンチンオキシダーゼの発現系を作成中である。 3.キサンチンオキシダーゼ遺伝子のクロモゾームマッピング 以前より行っていたクロモゾームマッピングに関してはFISHとQ-bandingを行うことにより、第2染色体p23にマップされた。
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