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血液系腫瘍細胞における癌遺伝子D型サイクリンファミリーの発現 様式の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06770836
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 血液内科学
研究機関東京大学

研究代表者

本倉 徹  東京大学, 医学部(分), 助手 (00192823)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード癌遺伝子 / サイクリン / 血液系腫瘍
研究概要

血液系腫瘍細胞株47種でD型サイクリンの発現をノーザン解析で検討した。サイクリンD3は、すべての細胞株にその発現を検出でき、TおよびBリンパ球系細胞株では、サイクリンD3しか発現していないものが約半数存在した。サイクリンD1とD2は、細胞株ごとに発現の有無が異なり、サイクリンD2は、ほとんどの骨髄系細胞株と約半数のリンパ球系細胞株で発現が見られた。一方、サイクリンD1の発現は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)を有する細胞株に加えて、巨核球系やTリンパ球系の一部の細胞株にも見られた。多くの場合、サイクリンD1は他のD型サイクリンとともに発現していた。さらに、蛋白レベルでの解析では、11;14転座を有する細胞株のサイクリンD1蛋白の発現は、mRNAレベルと同様に他の細胞株より異常に高いことが確認され、蛋白レベルでも発現過剰が認められた。臨床検体の解析では、mantle cell lymphomaに加えて、11;14転座を有する前リンパ球性白血病や多発性骨髄腫の臨床例でもサイクリンD1の発現を検出でき、巨核芽球性白血病患者でも、一部の巨核球系細胞株と同様にサイクリンD1を検出することが可能であった。一方、正常骨髄には、サイクリンD1は検出されず、主にサイクリンD3が発現している。以上より、血液系腫瘍細胞におけるサイクリンD1の発現がmantle cell lymphomaに限らないことが明らかである。また、骨髄細胞が分化成熟するにつれて、サイクリンD1とD2の発現が失われていくことが示唆され、サイクリンD1は、血液幹細胞に近いレベルで発現していることが推測された。このように、D型サイクリンは、多能性幹細胞が種々の系統に分化・増殖する際に、系統特異的もしくは分化段階特異的に発現制御を受け、それぞれ特殊な作用を持っている可能性がある。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Woo-Ick Yang: "Cyclin D1(Bcl-1,PRAD1)protein expression in low-grade B-cell lymphomas and reactive hyperplasia" American Journal of Pathology. 145. 86-96 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Toru Motokura: "Clinical significance of serial measurement of the serum levels of solable interlenkin-2 receptor and soluble CD8 in malignant lymphoma" Leukemia and Lymphoma. (in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Kaoru Uchimaru: "Bone marrow stromal cells produce and respond to activin A:interactions with basic fibroblast growth factor and platelet-derived growth factor" Experimental Hematology. (in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 内丸 薫: "血液細胞株におけるD型サイクリン発現様式の検討" International Journal of Hematology. 59. 146- (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 本倉 徹: "PRAD1/BCL-1/サイクリンD1癌遺伝子の発癌機能の検討" International Journal of Hematology. 59. 199- (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 小林 光: "PRAD1遺伝子の過剰発現を認めたB-PLLの一例" Japanese Journal of Clinical Hematology. 35. 1139- (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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