1)培養ヒトメサンギウム細胞(HMC)の可溶性インターロイキン6(sIL-6R)分泌 Polyoonal human sIL-6R抗体を用いたWestern blotでは、HMCの培養上清(HMC-CM)中に約50kdのsIL-6Rの存在が示唆された。このsizeは、monosyteで報告されているsIL-6Rとほぼ同じであった。 2)sIL-6Rの分泌調節機序 HMC-CM中のsIL-6Rは、ELISAにても検出可能であった。しかしHMCを1-10ng/mlのIL-1βまたはTGF-βで刺激しても分泌量に変化はみられなかった。尚、B9 cellを用いたBioassayでHMCのIL-6分泌を測定したところ、IL-1βで刺激された。またsIL-6R分泌量は、cyclohexamideを添加して培養しても減少しなかった。 3)sIL-6RのHMC増殖に及ぼす影響 Recombinant human sIL-6R存在下でHMCを培養すると、濃度依存性(1-50ng/ml)にHMC増殖は刺激された。また10ng/mlのsIL-6Rは、IL-6のHMC増殖刺激効果を増強した。 以上の成績より、1)sIL-6Rは、HMC増殖をIL-6の作用を増強することで促進し、2)IL-6RはIL-6と異なる機序で、HMCから分泌されることが明らかとなった。De novo合成は否定的で分泌機序についてはさらなる検討が必要である。尚、他のサイトカインレセプターとしてsIL-2Rも検討したが、HMC-CM中には検出されなかった。
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