新生児血清中リポポリサッカライド結合蛋白(LBP)のオプソニン活性LPS+血清による好中球へのプライミング効果に置き換え測定した結果を示す。成人好中球に対するプライミング効果はLPS単独あるいは血清単独ではあまり認められずLPS+血清によってのみ効果が得られた。LPS+成人血清によりプライミングされた好中球より発生した活性酸素は34.4±6.7nmol/10^7cell/minsであったのに対しLPS+新生児血清によるプライミングにて発生した活性酸素は25.8±4.3nmol/10^7cell/2minsであり、新生児血清オプソニン活性は成人に比し低下していた。新生児好中球に対するプライミング効果もLPS+血清によってのみみられ、LPS+成人血清によってプライミングをうけた好中球から発生した活性酸素は28.4±4.9nmol/10^7cell/2minsであったのに対し、LPS+新生児血清によるプライミングで発生した活性酸素は21.7±3.8nmol/10^7cell/2minsであった。このことからも新生児血清LBPオプソニン活性が成人に比し低下していることが判明するとともに、新生児好中球は成人好中球よりLPS+LBS複合体によりプライミングを受けにくいことがわかった。以上の研究結果から新生児期における易感染性。特にグラム陰性菌に対する易感染性は血清中LBPオプソニン活性の低下と好中球のLPS+LBS複合体に対する殺菌能の低下の両者が原因となっていると考えられた。 今後は血清LBPを定量測定し、実際に新生児において低下していることを確かめたい。
|