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門脈血流増加のための実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06770929
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 外科学一般
研究機関昭和大学

研究代表者

中村 豊英  昭和大学, 医学部, 助手 (80255794)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード門脈血流 / CGRP / 経腸栄養 / 血圧 / 心拍数
研究概要

胃瘻、十二指腸瘻を作成した実験犬で、上腸間膜動脈と門脈に血流プローブを埋め込んだ。胃運動の静止期に以下の実験を施行し、結果を得た。
方法1)経静脈的に薬剤(calcitonin gene-related peptide II:CGRPII)をbolusおよびcontinuousに注入し、血流・血圧・心拍数の変化をみた。
2)十二指腸瘻から(1)ミルク、(2)10%、25%糖質液、脂肪製剤(イントラリポス液)、10%糖質+電解質液(フィジオゾール3号液)、経腸栄養剤を持続注入(2ml/min)し門脈血流および血圧心拍数の変化をみた。
結果1)CGRPは、bolus injectionでは、容量依存性に上腸間膜動脈、門脈の血流と心拍数を増加させた。一方、血圧は低下させた。しかし、CGRPIIは、血圧や心拍数という全身的な作用は弱く、小腸の血流に対する作用が強かった。continuous infusionでも同様に血流の増加を認めたが、血圧および心拍数には有意な変化は認めなかった。
2)ミルクの持続注入では、注入流量(1.2.4ml/min)が増加するに従い、血流の増加し、注入中は有意な増加で推移し、注入を中止すると血流は徐々に前値に戻った。しかし、血圧および心拍数は有意な変化は認めなかった。
3)10%、25%糖質液、脂肪製剤(イントラリポス液)、10%糖質+電解質液(フィジオゾール3号液)、経腸栄養剤の持続注入では有意に血流は増加した。注入中の総門脈血流量は以下の順であった。脂肪製剤(20%イントラリポス液)>経腸栄養剤>25%糖質液>脂肪製剤(10%イントラリポス液)>10%糖質液>フィジオゾール3号液。10%、25%糖質液、フィジオゾール3号液、経腸栄養剤では注入中に血圧心拍数は有意な変化はみられなかった。一方、脂肪製剤(20%イントラリポス液)では心拍数は変動し、また嘔吐や排便を誘発させた。
結論
流動物を経腸的に持続注入した場合、血流量の増加がみられた。今回の実験からは血流増加にはカロリーが大きな要因になっていた。門脈血流の維持は、門脈の開存率ばかりでなく、高度手術侵襲の症例で術後の肝機能維持に重大な要素の一つである。しかし、臨床的に経腸栄養を施行する場合は、血流量の増加ばかりでなく全身的な循環動態の変化を考慮すべきである。糖質液、経腸栄養剤は適しているが脂肪製剤は血流の点では利点が大きいが、循環動態および全身状態の変化をも誘発させ適していない。また、局所作用の強いCGRPIIは、門脈血流の維持に有用であると思われた。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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