研究課題/領域番号 |
06770983
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 知行 自治医科大学, 医学部, 助手 (50225976)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 会陰部人工肛門 / ストーマ / 便失禁 / 直腸癌術後 / 括約筋再建 / 神経縫合 |
研究概要 |
【目的】直腸切断術後に自然肛門の機能を有する機能的会陰部人工肛門造設術を検討した。 【方法】雑種成犬を用いた。陰部神経縫合群(22頭)では陰部神経を支配神経に縫合した大腿二頭筋を旧肛門部に有茎移植し括約筋を再建した。排便状況を経時的に観察しdefecography,manometryおよび筋電図検査を施行し、またactomyosin ATPase染色を施し組織化学的検討もおこなった。 【成績】陰部神経縫合群で良好な排便状況を示した。Defecographyは陰部神経縫合群では安静時と排便時、肛門直腸角と肛門管長で有意差を認めた。それぞれ陰部神経縫合群と対照群の間には有意差を認めなかった。Manometryは陰部神経縫合群と対照群で有意差を認めなかった。また、microbaloonを肛門管に挿入すると陰部神経縫合群では一過性の圧上昇が認められた。対照群では認められなかった。術後3から5カ月の間で再開創し陰部神経を縫合部位より中枢側で電気刺激すると全例に括約筋の収縮を観察でき、筋電図学的にもevoked potentialが記録された。また、安静時筋電図で基礎波が観察でき、microbaloonの肛門管挿入時に反射的に筋電図波形の増幅がみられた。再建括約筋をactomysin ATPase染色にて筋線維のタイプ分類を行い、タイプ1繊維とタイプ2繊維とに分類し、タイプ線維が占める割合を算出したところ、有意差を持って陰部神経縫合群の再建括約筋が、筋線維型を大腿二頭筋から外肛門括約筋に変化していることが認められた。また、再建括約筋で筋線維の直径の低下が観察された。 【結語】陰部神経縫合法により陰部神経支配となり再建括約筋が外肛門括約筋の特異性を獲得し、continenceを保持するようになったと考えられた。
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