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細胞増殖能の側面から癌の悪性度評価を行うことを目的として、腫瘍の増殖能と細胞喪失量(細胞死)からその増大能力を推測し、解析する試みを行った。増殖能の指標としてPCNA、Ki-67、細胞喪失の指標としてapoptosisを27例のヒト大腸癌組織で測定して、臨床病理学的因子との相関を検討した。retrospectiveに固定条件を一定としてパラフィン包埋組織でABC法で検討した。Ki-67はマイクロウェーブ固定を追加し、apoptosisはnick end labeling法で組織上で検討し、標識率を算出した。PCNA陽性細胞率は肝転移、リンパ管侵襲、静脈侵襲との因子との相関を示した。大腸癌27例のKi-67平均陽性率は50±7.4%であり、臨床病理学的因子との比較では、肝転移例のKi-67陽性率は非肝転移例に比べ高い傾向が見られた。今回の検討では個々のマーカーは単独でも数種の臨床病理学的因子と相関を示したが、PCNAとapoptosisを組合せ、増大力の強いと思われる群(高PCNA、低apoptosis)と増大力の弱いと思われる群(低PCNA、高apoptosis)を比較すると、肝転移、及び、組織学的リンパ管侵襲、静脈侵襲などが有意に高率に見られ、転移能に関する悪性度評価の一因子となり得ることが示唆された。
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