[方法]1:雑種成犬(n=3)を用い、全身麻酔下、右開胸で直視心拍動下に右心房を三尖弁輪部から心房間溝まで連続して心内外膜両面から赤外線を照射した。先端プローブは、組織圧着面が線状(10×1.5mm)になるように改良作製したサファイヤプローブを用いた。出力は35W、照射時間は各ポイント9秒ずつで、心内膜面の照射は右心耳にタバコ縫合をかけプローブを挿入して行った。照射後、24点カード電極を用い、自脈、ペーシング下でのマッピングを行った。 2:雑種成犬(n=3)を用い、全身麻酔下、右開胸で直視心拍動下に右室心外膜面より35W、3×n秒(n=1〜7)照射し、30分後に屠殺し照射時間と組織凝固深達度との関係を病理学的に検討した。 [結果]1:赤外線凝固により、心房の電気的連続性は切断された。2:組織は境界明瞭な壊死像を認め、凝固範囲はプローブ先端のサイズに限局されていた。凝固組織は強靱で炭化、蒸散を認めなかった。組織深達度は照射時間にほぼ比例し、最大11mmの深達度を得ることができた。 [結語]赤外線凝固器(IRK151)は優れた特性を持っており、新しい心房アブレーション法となる可能性が示唆された。 以上の結果を、1995・4月・日本外科学会総会(名古屋)で発表予定である。
|