研究概要 |
術前のITAをDuplex Scanにて評価し、有用性を報告した。さらに術後のITAグラフトについて検出率、流量について検討し報告した。本法による検出率は約80%であり、20%の症例には検出できなかった。その理由として、ITAグラフトの走行、肺の影響等が考えられた。又、現時点での超音波診断装置の限界であるとも考えられた。 検出率の向上をはかるためには今後診断装置の改良が必要である。 検出率を向上させるもう一つの方法として超音波造影剤の使用が挙げられる。 一部の症例では造影剤により、ITAグラフトの造影効果は極めて大であった。 運動負荷によりITAグラフト血流の著明な増加が認められた。(特に拡張期) 各種薬物負荷の反応について。 ドーパミン、ドブトレックスでは3γよりITAグラフト血流の増加が認められ、拡張期血流の増加が主体であった。特にドブトレックスでの増加が著明であった。冠血流の増加に応じた良好な反応であった。ニトログリセリン,PGEでは著明な増加はみられなかった。 現在ドブトレックス負荷について、血流量増加と群運動の詳細について検討している。 本法はITAの非侵襲的評価法の一つときて極めて有用な方法であり、今後適応を拡大してゆきたいと考えている。
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