1.雑種成犬12頭を用い、ネンブタール麻酔下に頸部を切開し外頸静脈を約15mm採取した。この一端を結紮して盲端とし、他側を総頸動脈に端側吻合して動脈瘤を作成した。 2.1週間後、大腿動脈から5Frカテーテルを挿入して総頸動脈撮影を行ったところ、12例中9例では動脈瘤は開存していたが、2例では閉塞しており、1例ではガイドワイヤー操作により動脈瘤が破裂した。 3.動脈瘤の開存が確認された9例において、coilによる動脈瘤のembolizationを試みた。Tracker-18 catheterを瘤内に導入し、8mm×20mm、6mm×20mmのmechanically detachable coilを挿入して出来るだけ密に動脈瘤のpackingを行った。 4.Embolization後の血管撮影では、動脈瘤の完全閉塞を達成できた例はなく、全例でpartial fillingを認めた。特にneck部分は9例中7例で残存した。また3例では総頸動脈内にcoilが突出し、1週間後に再度血管撮影を行うと親動脈が閉塞していた。 5.術後の塞栓症予防のために、ヘパリン、アルガトロバンの投与を試みたが、持続的な投与を行うことが出来なかったためそれらの薬剤による予防効果の判定は困難であった。
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