ドレブリンは神経細胞の移動や神経突起伸展との関連が示唆されるアクチン結合蛋白質である。ドレブリンE tipeとA typeの違いは挿入配列ins2の有無により、現在までは分化した神経細胞に発現するA typeにおける機能解析を進めてきたが、今回ドレブリンEの神経突起伸展作用について主にアクチンとの相互作用を中心に解析した。一方、現在までラットおよびニワトリにおいてA typeのcDNAがクローニングされているが、A typeを特異的に認識する抗体は得られていない。そこで、ヒトドレブリンA cDNAのクローニングを行うとともに、抗ドレブリンA抗体の作製を目的として実験を行った。我々はすでにhuman drebrin E cDNAをβアクチンプロモーターを有するpMIW-HEP、およびmetallotinein-Iプロモーターを有するpMTID13Sに組み込み、それぞれ非神経細胞であるL cellに導入しtransfectantを得ている。そこでL cellに対する、ドレブリンEのもつ神経突起形成作用、アクチンとの相互作用を検討した。さらに、antisense human drebrin E発現ベクターを作製し、神経芽細胞腫B104cellにtransfectし、antisense drebrin transfectantを得た。さらに、上記と同様にその細胞形態変化および蛋白発現量の変化を解析する予定である。一方、human drebrin Aをクローニングする目的でヒト海馬cDNA-λte10ライブラリーをPCRにてスクリーニングしたところ、human drebrin Aのins2を含むと思われる約700bpのbandを検出した。現在sequence中であるが、ドレブリンAは神経特異性が高く今後さらに神経細胞のマーカーと成り得る抗体の作製を計画している。
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