研究概要 |
家兎脳底動脈を円筒状標本(長さ10mm)として摘出し,潅流システムに装着した.血管内腔側と外腔側を分離した状態で内腔側を定流量(4ml/min)の栄養液で潅流し,内腔側または外腔側に投与した薬剤による潅流圧の変化を標本の収縮・弛緩反応として観察した. 正常標本に血小板由来活性化因子(PAF),血小板由来成長因子(PDGF)を投与しても潅流圧に著名な変化は認められなかった. そこで,脳血管攣縮への関与が想定されてoxyhemoglobin(oxyHb),endothelin1(ET),protein kinase C(PKC)を介する収縮反応にPAF,PDGFが及ぼす影響について検討することにした.OxyHb,ET,PKCを活性化するdiacylglycerol(DAG)は持続性の収縮を惹起した.これらの相互作用について検討すると,OxyHb,ET,DAGは,それ自身が収縮を惹起しない低濃度であっても相乗的に作用する可能性が示唆された.これらの収縮反応PAF,PDGFが与える影響について現在検討中である. 正常標本での相互作用を検討後,家兎くも膜下出血モデルを用いた出血後の血管反応性の検討も行いたい.
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