研究課題/領域番号 |
06771144
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
泉 敏弘 九州大学, 医学部, 助手 (90253426)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 変形性関節症 / サイトカイン / 成長因子 / 軟骨細胞 |
研究概要 |
関節症関節軟骨における病態進展機序の検討 関節症軟骨の破壊進展機序にサイトカインの関与が示されており、ヒト関節症関節軟骨細胞におけるインターロイキン1(IL-1)遺伝子の発現を検討した。さらには関節症における骨軟骨の増殖の機序を検討するために、軟骨細胞増殖作用を持つ塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の発現を測定した。さらに、bFGFに対するIL-1遺伝子の発現の変化をRT-PCR(Reverse transcription-Polymerase chain reaction)法を用いて検討した。 【方法】手術時に採取したヒト関節症関節軟骨あるいはヒト正常関節軟骨より得られた軟骨細胞を培養した。この軟骨細胞にbFGFを加え24時間作用させた。この後total cellular RNAを抽出し、IL-1αあるいはbFGFのprimerを用いてRT-PCR法により発現量を半定量化した。 【結果】IL-1α遺伝子の発現は、関節症軟骨細胞においては正常軟骨細胞に比べ増加していた。また、関節症関節軟骨細胞においてはbFGF mRNAの発現も増強していた。さらに、bFGF投与によりIL-1αの遺伝子発現は関節症軟骨細胞において著明に増強した。 【考察】関節症関節軟骨細胞においては正常関節軟骨細胞と比較し、IL-1α遺伝子の発現が強く、関節症におけるIL-1の関与を示していると考えられた。また、関節症軟骨細胞においてbFGF mRNAの発現が増強しており関節症における関節破壊への影響が考えられた。さらに、関節症軟骨細胞においては、bFGFに対してIL-1αに関する細胞の反応性が高くなっていることが示唆された。 3次元的軟骨細胞培養の試み ラット肋軟骨よりコラゲナーゼを用いて軟骨細胞を遊離し、多孔質のスポンジ様の材料に播種することにより三次元的な軟骨細胞の培養を試みた。しかしながら、これまでのところ十分な軟骨基質の産生を得ることができず、ノーザンブロット法により測定したII型コラーゲンの発現量も遊離した直後の軟骨細胞と比べ約10文の1と減少していた。今後さらに様々な培養条件を検討する必要があると考えられる。
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