研究課題/領域番号 |
06771177
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森本 裕二 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00250457)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳虚血 / カルシウム / フローサイトメトリー / 神経細胞 / アシドーシス / 乳酸 / NG108-15 / 脳浮腫 |
研究概要 |
1.虚血性神経細胞障害時の細胞内Ca^<2+>上昇の機序とその意義:NG108-15細胞に低酸素無グルコース負荷により虚血性侵襲を与え、細胞外Ca^<2+>除去および細胞内Ca^<2+>キレート剤であるBAPTA-AM添加時の生存率をフローサイトメトリーにより測定した。その結果、単に虚血性侵襲のみを加えた場合と比較して、これら負荷時の生存率に有意な増加を認めなかった。したがって、低酸素無グルコース負荷によるNG108-15細胞障害の機序に、細胞内外からのCa^<2+>流入は重要な役割を演じないと結論した。 2.神経虚血に付随するアシドーシスの影響とその機序:NG108-15細胞を種々の程度のアシドーシス下におき、低酸素無グルコース負荷により虚血性侵襲を与えた。その結果pH6.8からpH5.6の間で、pH7.4と比較して生存率の増加を認め、その増加率はpH6.2で最大であった。すなわち、この程度のアシドーシスは虚血性侵襲に対して保護効果を有することが明らかとなった。さらに、この保護効果の機序につきCa^<2+>動態と細胞内エネルギー保存の両面から検討を加えた。その結果後者が重要な機序となる可能性が示唆された。また乳酸アシドーシス単独の細胞浮腫と生存率に及ぼす影響についても検討を行った。この結果、生存率低下はpH、乳酸濃度依存性に起こるが細胞浮腫は非依存性であり浮腫が細胞障害の直接的原因ではないと結論した。 3.虚血後の酸素負荷の影響とその機序:低酸素無グルコース負荷後の純酸素と大気それぞれに暴露した2群を設定し、その生存率を比較したが有意差は認めなかった。 4.薬物の影響については、L型Ca^<2+>チャネル拮抗剤であるニカルジピンは生存率に対して効果を認めなかった。乳酸アシドーシスによる細胞浮腫に対して、浸透圧利尿薬やループ利尿薬と比較してNa^+/H^+交換阻害薬に最も抗浮腫効果を認めた。
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