研究課題/領域番号 |
06771179
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
廣田 和美 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (20238413)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | NMDA受容体遮断薬 / ケコミン / マグネシウム / 喘息 / 炎症 / 気管支鏡 |
研究概要 |
1.喘息状態時、NMDA受容体遮断薬の気管支拡張作用 -雑種成犬を用いて、ヒスタミン(H)持続静注(10μg/kg+500μg/kg/hr)により気管支収縮を生じさせた後、生食(S群:n=7)またはNMDA受容体遮断薬であるケタミン10mg/kg(K群:n=7)、硫酸マグネシウム1.0mmol/kg(Mg群:n=7)を投与した。気管支鏡を用いて気管支断面積を測定した結果、H投与前の気管支断面積を100%とすると、H投与により、S群で58.3±6.0%、K群で67.0±6.3%、Mg群で68.6±5.0%であり、それぞれの薬剤を投与した結果、S群では60.0±6.9%と変化しなかったのに対し、K群で86.5±8.3%(p<0.01)、Mg群では95.8±8.3%(p<0.01)と有意に拡張した。 2.喘息状態時、気道浮腫に対するNMDA受容体遮断薬の効果 モルモットを用い、S群では生食(n=4)、K群ではケタミン10mg/kg(n=4)、Mg群では硫酸マグネシウム1.0mmol/kg(n=4)静注5分後に、H(30μg/kg)を静注して気道浮腫を生じさせ、同時に投与したエバンスブルー(40mg/kg)の気管への漏出量を指標に気道浮腫を定量した。S群では145.0±26.1mg/kgであったのに対し、K群で139.7±35.2mg/kg、Mg群で107.7±12.1mg/kgとMg群でやや低い傾向にあったが、群間に有意差は認めなかった。 3.喘息状態時、炎症物質遊離連鎖反応に及ぼすNMDA受容体遮断薬の効果 ラットを用い、S群では生食(n=5)、K群ではケタミン10mg/kg(n=5)、Mg群では硫酸マグネシウム1.0mmol/kg(n=5)静注5分後に、ニューロキニンA(11μg/kg)を静注して,肥満細胞からHの遊離を促し、EDTA加生食で肺胞洗浄を行い肺胞内に放出されたヒスタミンを回収した。洗浄液中のH濃度はRIA法を用いて測定した結果、S群で43.2±11.0、K群で32.2±3.2、Mg群で31.5±4.6とNMDA受容体遮断薬群でやや低い傾向にあったが群間に有意差は認めなかった。 以上の結果により、NMDA受容体遮断薬群は喘息発生時、収縮した気管支を強力に拡張させるが、気道浮腫や炎症反応の連鎖に関しては、軽減させる傾向はあるものの有意な変化は認められなかったことより、今後更に詳細な研究をする必要があると思われた。
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