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肝移植時の再潅流症候群の実験的解明 -遠隔臓器障害の新しい実験モデル-

研究課題

研究課題/領域番号 06771194
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 麻酔・蘇生学
研究機関名古屋大学

研究代表者

中島 康一  名古屋大学, 医学部, 助手 (70198068)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード肝移植 / 再潅流症候群
研究概要

肝移植術中の合併症である再潅流症候群(ドナー肝の再潅流直後に起きる、不整脈・血圧低下・肺動脈圧上昇など心血管系の合併症)の病態・起因物質を実験的に解明する事を目的とし本研究を行った。これまでに同様の研究はほとんど報告されていないため、ラットより摘出した肝を虚血状態にした後に再潅流し、その排出液にて別に用意したラットよりの摘出心を潅流するという新しい実験モデルを新たに考案し作製した。
この実験システムを用い、2時間の潅流停止による虚血後に再潅流した肝よりの排出液にて心を潅流した群(I群5例)と2時間の無虚血潅流肝よりの排出液で心を潅流した群(C群4例)において以下の結果を得た。
1.心機能の指標となるdp/dt,max(mmHg/sec)は、再潅流後15分までは両群間に有意の差を認めなかったが、30分後にはI群1344±84,C群2129±345、60分後にはI群678±115,1779±313とI群において有意に低下を認めた。また、冠潅流量も同様の傾向を示した。
2.心筋細胞障害の指標となるCK-MB(U/1)は、再潅流1分後よりI群9±4,C群15±6と有意差を認め、15,30,60分後にはそれぞれI群18±8,C群7±5、I群73±33,C群13±8、I群132±60,C群8±4とI群において有意に高値をとった。(数値はすべてmean±SEM)
以上の結果より、虚血再潅流肝より放出される物質により心筋細胞は直ちに障害を受け始めるが、おそらくは心の予備能により心機能の低下は30分後以降に始まる事が判明した。心筋細胞自体が他臓器の虚血再潅流により放出された物質により障害を受けることを明らかにした報告は未だ無く、今後、実験を継続して例数を増やすとともに、心筋細胞障害の起因物質を同定していく予定である。また肝移植術中の再潅流症候群は再潅流の直後より発症するので、そのメカニズムには心機能低下以外の血管拡張等の要因が関与していると考えられるが、それを解明するために、肝と大動脈とを組み合わせた実験を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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