研究概要 |
〈目的〉鎮静薬のミダゾラムと鎮痛薬のDAMGO(selective mu-receptor agonist)に性差が認められるかどうか、また、エストロゲンとの併用が性差をもたらすのかどうかを調べた。 〈方法〉成熟ddYマウスを用い、テイルフリック試験(TF)、ホットプレート試験(HP)で評価した。カットオフ時間は、それぞれ10秒、15秒として%MPEを求めた。 実験1-1:ミダゾラムによる性差:生食群は生食0.1ml、ミダゾラム群は100mg/kgを腹腔内投与した。 実験1-2:エストロゲンとミダゾラム併用による性差:エストロゲン10mg/kg投与し、24時間後にミダゾラム100mg/kgを投与した。 実験2-1:DAMGOによる性差:生食群は生食0.1ml、DAMGO群は1mg/kgを腹腔内投与した。 実験2-2:エストロゲンとDAMGO併用による性差:エストロゲン10mg/kg投与し、24時間後にDAMGO1mg/kgを投与した。 〈結果〉実験1-1:雄21匹、雌10匹:TF(雄-15.9±30.6,雌-31.4±42.5),HP(雄-0.7±11雌-12.9±16) 実験1-2:雄21匹、雌10匹:TF(雄-6.8±19.5,雌-8.8±31.1),HP(雄1.7±14,雌-9.8±15.9) 実験2-1:雄10匹、雌10匹:TF(雄34.8±37.2,雌44.5±32.7),HP(雄8.1±15.3,雌9.9±8.6) 実験2-2:雄10匹、雌10匹:TF(雄13.8±21.6,雌42.3±27.5),HP(雄-11.9±14.8,雌-17±46.8) 〈結論〉本研究では、ミダゾラム、DAMGO単独投与では性差を認めなかった。また、エストロゲンを併用しても性差を認めなかった。(本研究は、第42回日本麻酔学会総会で発表予定である。)
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