排卵のメカニズムを検討するため、体外受精時に得られた卵胞液を用い、コラゲナーゼ活性、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)、そのインヒビター(TIMP)を測定した。 1.体外受精・胚移植時に得られた卵胞液を、タイプIコラーゲン溶液とインキュベートし、卵胞液中のコラゲナーゼによるコラーゲンの分解を進めた後、熱変性を実施し、アクリルアミド・ゲル電気泳動を行った。染色によりコラーゲン分解産物を定量化した。さらにMMPおよびTIMPはウエスタン・ブロティングにて解析した。 2.卵胞液中にコラゲナーゼ活性を認め、またMMP・TIMPの存在も認めた。しかしながら、検体数が少数のため、卵胞液中の各種ホルモン濃度、卵胞の発育度との関連は明らかにできなかった。今後、さらに多くの検体を用い、卵胞破裂におけるその生理的意義を解明していく所存である。
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