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癌の腹膜播種形成の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 06771378
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 産婦人科学
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

加藤 友康  財団法人癌研究會, 癌研究所, 研究員 (50224522)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード腹膜播種 / インテグリン / vitronectin receptor / 子宮体癌 / リンパ節転移
研究概要

これまでの子宮体癌の臨床病理学的研究から以下のことが明らかになった。(1)術中腹水細胞診陽性例は必ずしも腹膜播種に進行しない。(2)筋層浸潤が浅くリンパ節転移陰性例では、術中腹水細胞診陽性でも術後追加治療の必要がない。
これらの結果から、腹水中の癌細胞が腹膜に生着して播種巣を形成する可能性に疑問が生じた。そこで,以下のことを試みた。術中腹水細胞診陽性例を対象としてに腹腔内にチューブを留置し,術後チューブを用いて洗浄腹水細胞診を行った。その結果,腹腔内に転移巣がない症例は,皆術後2週間で陰性化した。すなわち,術中認めた腹水中の癌細胞は2週間以内に腹腔内から消失した(日本臨床細胞学会1993発表、日本産婦人科学会投稿中)。
次に、腹膜播種へ進行するリスクを見いだすため、完全摘出症例で術後腹膜播種に進行した例の,臨床経過を検討した。その結果、全体の8割の症例にリンパ節転移が先行または同時にみられた。これは腹膜播種形成にリンパ行性進展が深く関与し,経卵管性播種の可能性は極く低いことを意味する(日本癌学会1995発表予定)。
最近、接着分子が転移形成にあずかることが報告されている。そこで、腹膜播種形成に関与する接着分子を検討するため,原発巣の捺印標本を用いて,接着分子の一種であるインテグリンの発現を調べた。その結果,転移を認めた症例の原発巣のvitronectin receptorは皆陰性であった。陽性例には転移はみられなかった。この結果から転移形成にvitronectin receptorの発現低下が関与していることが示唆された(日本癌学会1994発表)。
これまでの研究結果をまとめると,子宮体癌の腹膜播種形成にはリンパ行性進展と原発巣におけるvitronectin receptorの発現低下が関与することを明らかにした。癌の治療成績向上に貢献できるよう、引き続き研究を続ける所存である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 加藤友康: "子宮体癌における接着分子の発現に関する検討" 日本癌学会雑誌 第53回総会記事. 331-331 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tomoyasu kato: "Peritoneal cytology in endometrial cancer:an ivestigation of the source of endometrial cancer cells in the peritoneal cavity" Int.J.Oncol. 2. 759-762 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤友康: "子宮体癌IIIa期腹水細胞診陽性例は腹膜播種に進行するか" 日本臨床細胞学会雑誌. 32. 211-211 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tomoyasu kato: "Prognostic significance of peritoneal cytology in endometrial carcinoma" Int.J.Gynecol.Obstet.FIGO Abstracts. 252-252 (1991)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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