研究課題/領域番号 |
06771395
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 雅一 東京大学, 医学部(病), 助手 (90217894)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 内耳 / 有毛細胞 / シスプラチン / 耳音響放射 |
研究概要 |
今回は、モルモットの実験については前庭の球形嚢、卵形嚢、半軌管膨大部を取り出して走査型電子顕微鏡で観察するにとどまった。聴器毒性をきたすことが知られているストレプトマイシン、シスプラチンを投与された症例に対して投与前後で誘発および歪音耳音響放射を測定することにより薬剤による内耳の特に蝸牛の有毛細胞の障害についての評価をおこなった。 ストレプトマイシンを投与され長期経過を追えた症例は1例であったが純音聴力検査、耳音響放射ともに変化は認められなかった。シスプラチンを投与された症例は15例経過を追うことができた。シスプラチン投与量は1ク-ルあたり100ないし130mgで、2から4ク-ル投与されている。純音聴力検査では8000Hzがわずかに低下する傾向が認められただけであるが、耳音響放射の変化を検討したところ2000および4000Hzの蝸牛機能を反映すると考えられている反応の低下傾向が認められた。シスプラチンによる外有毛細胞の機能低下が純音聴力検査に現れない部位においても生じている可能性が示唆された。2ク-ル以上経過を追えた症例においてはシスプラチンの影響が可逆的かどうか検討したがはっきりしなかった。今回検討した症例においてはストレプトマイシン、シスプラチン投与による前庭機能の異常は認められなかった。 今回はヒトによる蝸牛機能の変化を生理学的手法で経過を追っただけであるが、今後前庭機能も合わせて形態学的な検討をしていく予定である。
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