研究概要 |
アレルギー性結膜炎の臨床所見と自覚症状がなく、MAST法により特異的IgE抗体陰性であった正常人10人の結膜からブラッシュサイトロジー法(細胞診用のブラシを眼科用に小さく細工したブラシ)によって結膜上皮細胞を採取し、一部をRT-PCR法にてRSVの発現のないことを確かめた後、培養液中で1週間上皮培養した。培養液はHams F12:Dulbecco's MEM(1:1),15%FCS,0.5%DMSO,40μl/mlゲンタマイシン,5μg/mlインスリン、0.1μh/mlコレラトキシンを含む培養液中で増殖させる(予備実験にてEGFを添加すると細胞の文化が進んでしまうことが確認されているので添加しない)。容器は8穴Labtec Chamberを使用し、37℃、5%CO_2Incubator内で7日間培養した。20℃、800回転20分遠沈、培養液で3回洗浄し、混在するリンパ球などを除去して上皮細胞のみとした。その後、96穴プレートに移してRSVを加えて24、28および72時間培養し同様に遠沈した。ペレットの一部はclassII抗原の発現をFAXで検討した結果感染により発現を認めた。また一部は4℃アセトンで固定後抗RSV抗体染色を行い非感染例との上皮への染色性を比較検討し、感染により上皮細胞中に陽性所見を認め、さらにRT-PCRにてRSVの発現を確認した。培養上清はsandwich ELISAにてIL-4の産生を定量した。感染後IL-4濃度は4.7±4.1(1日)、3.6±1.1(2日)、5.4±1.8pg/ml(3日)であったが非感染例では0.3pg/ml以下であった。以上のデータは1995 Association for research in vision and ophthalmology(ARVO)にて発表予定であり、現在anti-RSV antisenceを同時に投与しを3日間感染培養した場合の染色性やIL-4の産生について検討中であり、また上清はELISA法で可溶性、組織結合性IgE産生量を定量する予定であり、データがでたところで論文投稿予定である。
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