• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

低pH適応で誘導されるミュータンス菌のプロトンATPaseの役割

研究課題

研究課題/領域番号 06771589
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関岡山大学

研究代表者

宮城 淳  岡山大学, 歯学部, 助手 (40243464)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードmutans streptococci / プロトンATPase / 低pH適応 / 細胞内pH / プロトン駆動力
研究概要

ミュータンス菌のケモスタット培養を中心とする解析で,本菌の酸性条件への適応機構のひとつは,細胞内に流入するH^+を細胞外へ排出する役割を担うH^+-ATPaseの誘導であることを見いだした。今回,この低pH適応で誘導されたH^+-ATPaseの機能を明らかにするために増殖時のpHが異なる菌の△pH形成能および解糖活性を比較した。
供試菌として,S.rattus FA-1のpH7.0と5.0のケモスタット培養菌(それぞれpH7.0菌,pH5.0菌)を用いた。△pH:洗浄菌体を室温の^<14>C-アセチルサリチル酸を含む緩衝液に懸濁し,菌体内外への放射活性の分布を測定した。解糖活性:洗浄菌体を25℃(温度環境を一定に保つために冷却機を使用)の緩衝液に懸濁し,グルコース添加後の酸生成速度をpHスタット法で測定した。その結果,pH5.0菌,pH7.0菌ともに細胞外pH5.0〜7.5の範囲で△pHを形成し,有意な差は認められなかった。このことは,△pH形成能そのものは,H^+-ATPase量に依存していないことを示している。解糖活性およびそのpH依存性は,両菌の間に有意な差は認められなかった。しかし,プロトノフォアであるFCCPが存在するとpH5.0菌の解糖活性は,顕著に促進された。これに対して,pH7.0菌の促進は軽微であった。また,窒素源を加えたところ,pH6.0以下になるとpH5.0菌でのみ解糖活性の促進が観察された。このようなFCCPや窒素源添加による解糖活性の促進は,エネルギー産生(解糖)系とエネルギー消費系が密接に連動していることを示唆している。また,pH5.0菌のみに低pH環境で窒素源による解糖活性促進が観察されることから,低pH適応で誘導されたH^+-ATPaseは,各種物質の細胞内外への輸送に必要なプロトン駆動力を形成し,高分子合成可能な状態の形成・維持のために作動していると推察される。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi