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歯の移動に伴う歯根膜線維と血管の相関性における三次元的形態観察

研究課題

研究課題/領域番号 06771607
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関昭和大学

研究代表者

黒岩 美枝  昭和大学, 歯学部, 講師 (90153395)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード歯根膜線維 / 毛細血管 / 歯の移動 / 走査型電子顕微鏡
研究概要

歯の萌出や移動に伴い、歯周組織には組織的変化が認められる。歯に力が加えられると、歯根膜線維は圧縮および牽引される。同様に歯根膜中の血管も圧縮や伸張され、血流量や血管透過性に変化がおこる。本研究は、ラットに生理的および矯正的に歯の移動条件を設定し、血管鋳型方と、膠原線維のみを観察できる細胞浸軟法を併用し、歯の移動に伴う歯根膜線維と血管の立体構築における観察を行った。
生理的条件下において、歯根膜線維は、圧迫側では、線維は屈曲し、歯槽骨表面で線維束がほぐれて骨に付着していた。牽引側では、線維は伸張し、骨表面に束状に付着していた。歯根膜に分布する血管は二層構造で、歯槽骨側の血管網とそれより分枝した細枝状の歯根膜側の血管網により構成され、歯根膜線維網の間を埋めるように歯根を囲み、カゴ状に分布していた。根尖部では歯槽骨側に比較的太い血管網を形成し、そこから歯冠部に向けて長いループを形成していた。根中央部では、短いループを形成し、歯頚部ではループは形成されていなかった。生理的圧迫側では圧扁された血管が、牽引側ではヘアピンループ状の血管を形成していた。歯を矯正的に水平移動させると、6時間後ですでに歯根膜に変化がみられた。圧迫側では、歯根膜の幅は狭くなり、歯根膜線維はさらに屈曲してアーケード状の網状構造を示していた。牽引側では、歯根膜の幅は広がり、線維は直線状に伸張し、束状構造を形成して骨やセメント質に埋入していた。血管網は、圧迫側では、閉塞性の血栓が形成され、血管網は消失するが、その周囲に血管に短絡ができ、やがて縄状のループが歯根膜線維の間を縫うように形成された。牽引側では、血管網は伸張し、根尖部から歯冠部に向けて長いヘアピンループを形成していた。歯の矯正的移動4日後では、歯根膜線維や血管網はほぼ正常像を示していた。今後、さらに血管と歯根膜線維および細胞の動態を検討する。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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