1.普通飼育ラットに対するニフェジピンによる歯肉増殖の誘導 3週令ウイスター系ラット(10匹)に対しニフェジピンを粉末飼料No.2000に500mg/kgとなるように混和して自由摂取させた。コントロールには、ニフェジピンの混和していない粉末飼料あるいは固形飼料を与えた。投与期間は、60日間(各群4匹づつ、固形飼料2匹)とし、体重測定、歯周ポケット測定(コンピュタ-画像処理)、病理組織的観察を行った。その結果、体重測定では固形飼料(平均271.5)に比べ粉末飼料(平均207.5)で有意に低く、特にニフェジピン投与群(平均185)で低かった。歯肉部の画像処理(画素数による比較)による形態計測ではニフェジピン投与群で有意に高い値となったが、病理組織学的に顕著な違いは見られなかった。(末梢血は-80℃凍結保存) 2.無菌飼育ラットに対するニフェジピンによる歯肉増殖の誘導 日本クレアより無菌ウイスター系ラットを購入し保有のアイソレーターで繁殖させ実験に供した。飼料は、日本クレアに依頼してDiet2000 sugar56% 50KGray減菌済(ニフェジピン300mg/kg含有/不含)を用いた。総計実験群12匹、コントロール群は10匹行い上述の通り実験を行った。体重測定では実験群(平均220)、コントロール群(平均223.5)で有意な差はなかった。歯肉部の画像処理ではニフェジピン投与群で高い傾向が見られたが有為な差は得られなかった。病理組織学的にも顕著な違いは見られなかった。 3.培養ヒト歯肉線維芽細胞に対する各種カルシウム拮抗剤の作用 ニフェジピン(N)、ヘルベッサー(H:Nと同じL型カルシウムチャンネルブロッカー)、PMA(P:PKC活性化物質)、アレビアチン(A:抗癲癇薬)の培養ヒト歯肉線維芽細胞(5株)に対する増殖活性をCell Titer96^<TM>Non-Radioactive Cell Proliferation Assayで測定した。 その結果H20〜100μg/ml及びでは著明に増殖活性が見られ、Pでは低濃度(10ng〜1μg/ml)では抑制され、高濃度(10〜25μg/ml)では促進するという二相性を示した。N、Pでは濃度に応じておおむね抑制傾向を示した。
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