1、一般臨床で広く用いられている金銀パラジウム合金(キャストウェル、GC)1gに赤外線ゴールドイメージ炉から発生した光を照射し、合金の経時的変化を観察した。 照射開始直後より合金は発光し始め、15〜17秒後に溶融を想像させる形態変化が観察された。照射終了後形態変化を再確認すると、凝集し球状に形態変化しており全面に黒色の酸化膜が観察された。 2、OCCガラスインゴット(5.2g)に赤外線ゴールドイメージ炉から発生した光を照射し、インゴットの経時的変化を観察した。 照射開始20分を経過しても、発光や形態変化は観察されなかった。 ガラスインゴットが溶融しない原因として次の事が考えられた。 (1)ゴールドイメージ炉から照射される赤外線のピーク波長(1.15μm)付近の光をOCCが透過する。 (2)ガラスインゴットの容積が大きいため、吸熱と放熱の平衡状態がガラスの溶融温度以下で生じる。 3、2の考察をもとに粉末状OCC0.5gへの照射と、OCC0.5gを挿入したジルコニア坩堝へ照射し間接的にOCCを加熱し融解する方法を行ない経時的変化を観察した。 照射開始20分を経過しても、発光や形態変化は現われなかった。 まとめ:赤外線透過性を持つOCC溶融に赤外線加熱炉を使用することは不適当であると考えられる。
|