本研究は、CAD/CAMシステムによる歯冠修復物作製の実用化を目指し、より高速かつ高精度に支台歯形態を三次元的に測定することが可能な非接触式三次元測定機の開発を目的としたものである。 申請者は、平成4年度科学研究費奨励(A)により購入したレーザアナログサンサ、データ変換用コンピュータと、新たにX・Y・θステージおよびステージコントローラを用い、より高速かつ高精度に支台歯形態を三次元的に測定することが可能な非接触式三次元測定システムの構築を試みた。 しかし、当初の研究計画ではX・Y・Z・θステージをコンピュータにより自動制御する予定であたが、経済的な事情によりX・Y・θステージのみが使用可能となり(但し、X・Yステージのみ自動制御)、三次元形態を全自動で測定するシステムを構築することはできなかった。すなわち、本研究の目的としていた測定システムの高速化については、X・Yステージを用いた測定については高速化は行われたが、Z・θステージを用いた測定については高速化は行うことはできなかった。 今後は、さらに本測定システムを用い、種々の測定条件が測定清度に与える影響について詳細に調査するとともに、実用化を想定した測定システムの改良を行う予定である。また、実際の患者の石膏模型から歯冠形態および支台歯形態を測定し、既存のミリングマシンや光造形装置を用いて、測定データの実体化やクラウンの作製もあわせて行う予定である。
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