研究課題/領域番号 |
06771831
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 康弘 長崎大学, 歯学部, 助手 (10217086)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 貴金属合金 / L1_2型規則相 / アトムプローブ / 貴金属磁石 / 磁石合金 / 高保磁力 / L1_0型規則相 |
研究概要 |
Au-Cu-Ag3元合金状態図中のCu_3Au組成に近いCu-25〜32.5at.%Au合金に1.5at.%Agを添加した合金を作製した。この合金は熱処理条件によりCu_3AuI型規則相やその長周期規則構造を持つCu_3AuII型規則相が得られた。Isometで試料をFIM観察用に切断し、東北大金研のAP-FIMで元素分析を行った。しかしながら、1原子層毎の原子面の蒸発の条件が得られず、2原子面毎の蒸発が生じていると思われた。そのため規則格子の原子の占有サイトが確定できず、添加元素であるAg原子がAu,Cuのどちらの原子位置に入るかを確定することは出来なかった。以上のようにAu-Cu系合金ではAP-FIM観察は困難なものであった。 次にFe-Pt-Nb合金系について検討をしてみた。この合金系は耐食性に非常に優れた磁石材料として期待されているが、高保磁力が得られるメカニズムはほとんど明らかになっていない。そこで母合金となるFe-Pt合金を作製し、組成、熱処理条件による磁気特性の変化を調べた。さらにTEM観察を行い、熱処理に生じた規則相による組織変化との関連を調べた。1325℃で溶体化処理を行った後に、氷水中に焼き入れると50.0Pt合金では焼き入れ中に規則化し双晶組織が形成されていた。39.5Pt合金では数nmの規則相が一面に形成され<110>方向にtweed contrastが生じていた。38.5Pt合金では2〜3nm程度の規則ドメインが不規則マトリックス中に一面に形成されていた。39.5Pt合金は溶体化処理状態で既に高い保磁力を有していた。この合金を600℃で時効すると10hで保磁力は極大に達しその後減少した。800℃では保磁力は低下するのみであった。600℃での組織をTEMで観察すると、10hではtweed contrastが見られ、規則ドメインのサイズは平均20nm程度であった。100h時効ではtweed contrastは見られたが、ドメインサイズは30nm程度に成長し、双晶界面の形成を示す電子線回折図形の基本格子反射の分裂が見られた。また800℃で時効するとpoly twinが形成されていた。以上の結果から保磁力が得られるのは規則ドメインのサイズが20nm程度の時であり各規則ドメインが単磁区粒子として働くものと思われた。
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