研究概要 |
磁性アタッチメントは咀嚼の側方への伝達が殆んどないと言われているので動揺歯でも維撓歯として活用できると報告されているが、症例数が少ないため、今回骨植不良歯に磁性アタッチメント(以後MAと省略)を応用し、骨植がどのように進展していくか経過観察することを目的とする。 1.応用対象:58歳〜74歳までの成人男女5人(現在までのところ)を対象とした。 2.方法:骨植不良歯(P_2〜P_<3K>)根管治療後MAを装置した。この装着後にポケットを4点測定とレントゲンを撮り、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に経過観察して比較する。 3.結果:(1)74歳男性の旧義歯(7651467MT,76542111256MT)の51、√<2>,√<5>にハイコレックスMDを装着した。いずれもP_3状態であり、3ヶ月後のレントゲンでの変化はないが、√<2>清掃不良で周囲に発赤がみとめられた。 (2)62歳女性の新義歯(61456MT)の√<4>にマグフィット600を装着した。√<4>(P_2)は骨植変化ない。 (3)71歳女性の新義歯(43211123567MT)の6にマグフィット600を装着した。6(P_3)で清掃良く歯周炎なし。4ヶ月後に義歯側のマグネット脱離し再装着・骨植状態改善されている。 (4)58歳女性の新義歯(76541 67 MT)の4((P_3)にハイコレックスMDを装着した。3ヶ月後4歯頚部プラーク付着で発赤が認められポケットは周囲3mm程度。X-Pでは骨植状態変化なし. 4.結論:現状ではまだ装着後3〜4ヶ月経過の観察であり、明確な結果は出ていないが、口腔清掃不良であればMA維持歯であっても周囲は発赤を起こし、骨植不良が進むと思われるが、清掃良好なら、P状態の進行度はクラスプより遅く、MAを使用した方が側方のゆれがない分 利点と思われる。P_3状態で清掃よければ骨植改善されている症例も認められたが現状では、短期間と症例数が少ないので今後更に症例を増やし、6ヶ月後、1年後の経過観察が期待される。
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