1.ラット可移植性扁平上皮癌細胞株(RTC)とラット可移植性悪性組織球腫細胞株(MFH)のin vivoにおける継代実験 RTC株とMFH株の継代安定性を図るために、化学誘発させた近交系ラット(F344)の皮下および筋肉内に継代移植を行った。その結果、RTCは現在14代継代中で、生着率は20-60%であった。MFHは現在24代継代中で、生着率は40-100%の生着率を示した。しかし、2系統の細胞株ともに継代中には転移形成は認められなかった。 2.ラット可移植性扁平上皮癌細胞株(RTC)とラット可移植性悪性組織球腫細胞株(MFH)の培養株化実験 RTC株はin vivo継代9代目の細胞を、また、MFH株はin vivo継代17代目の細胞を培養株化実験に使用した。RTC株は、in vitroで現在14代継代中で、細胞倍加時間は22.4時間であった。MFH株は、 in vitroで現在21代継代中で、細胞倍加時間は15.2時間であった。さらに、両細胞株を再度、近交系ラットに移植し、その生着率を確認した。RTC株の生着率は0-40%で、MFH株の生着率は0-60%であった。発育形成は、RTCの一部では浸潤発育が観察されたが、MFHには浸潤発育はみられなかった。そこで、RTC株は12代目(in vitro)を、MFH株は18代目(in vitro)を2回限界希釈法にてクローニングを行った。 3.モノクローナル抗体の作製 現在、クローニングを行ったRTC株とMFH株をBALB/Cマウスに免疫し、モノクローナル抗体作製の実験中である。
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