研究1) 手術侵襲が加わった状態での鎮痛剤併用静脈内鎮静法の効果について検討した。 方法は鎮痛剤併用静脈内鎮静法下に手術を行なった8症例の循環変動(収縮期血圧、心拍数)と交感神経系の指標である、血漿ノルエピネフリン濃度を測定した。 測定は 1)鎮静前、2)鎮静後、3)術中安静時、4)患者が術中疼痛を訴えた時、5)術直後に行なった。 結果は循環変動、血漿ノルエピネフリン濃度とも鎮静前に対し、術中疼痛時に有意に上昇した。これは鎮痛剤併用静脈内鎮静法を行なっても、ストレスが加わることにより、交感神経系が亢進することを示唆した。 今後の展望 今回は鎮痛剤併用静脈内鎮静法の観察のみ行なったが、今後は更にマイナ-トランキライザー単独による静脈内鎮静法との比較を以下の観察項目も加え勧めていきたい。 1)Mem Calcを使用し、単独群と併用群の交感神経系に対する作用を比較する。 (鎮静の効果、術中の刺激に対する交感神経系の反応の抑制など) 局所麻酔の効果 (局所麻酔の効果により交感神経系の反応が異なるため、確実な麻酔効果を得なければならないので、脳波、VAS法などを使用してその効果を判定する) 3)鎮痛効果の判定 三叉神経誘発電位により判定
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