研究課題/領域番号 |
06771998
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
河村 晃代 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252986)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カリオスタット / 学校歯科保健教育 / 人工齲蝕 |
研究概要 |
(方法)学校歯科保健指導の効果的な学生実験の実用化を考え以下の研究を行った。齲蝕活動性を知ることのできるカリオスタットを用いその値(以下CAT値)の高い者(CAT値3.0)と、低い者(1.0)の歯垢を綿棒に取り乳歯脱落歯と共に、各々別のカリオスタット試験溶液の中にいれ37℃の状態で培養した。1週間後、脱落歯を取り出し歯牙に付着した歯垢を機械的に取り除き、CAT値3.0と1.0の歯垢を綿棒にとり、歯牙と共に各々新しいカリオスタットアンプルに入れた。この操作を5週間にわたって行い、齲蝕がC_1→C_2→C_3と脱灰していく様子を観察した。 (結果および考察)CAT値3.0のアンプルに付けた歯牙は、1週間後にC_1、3週間後にC_2、5週間後にC_3と齲蝕の進行していく様子が観察された。一方、CAT値1.0のアンプルの中につけた歯牙では、5週間経過しても、脱灰の程度はC_1にとどまっていた。このことから、CAT値の高い者(臨界脱灰pH5.4以下のもの)と低い者で明らかに脱灰の速度、程度にちがいが見られることが観察された。また。学校の授業に用いる際、1週間に1回ずつアンプルを換え5週間で実験のカリキュラムが終了することがわかった。以上のことより、子供達にとって身近な脱落歯を用いて実験を行うことで興味と関心を引くとともに、目で見て触れるという体験学習を重ねながら齲蝕の原因論を理解できることが予測された。また、人工齲蝕実験に関連してNaFを歯牙露出面に塗布したものと、塗布していないものをカリオスタット溶液につけ、脱灰の程度の比較を行った結果、フッ素を塗布していたものの方が明らかに脱灰が抑制されていることがわかった。今後、実験に関するパンフレットを作製し、学校歯科保健教育として人工齲蝕実験を行う。そして口腔衛生全般にわたるアンケートを作製し、実験前と実験後での生徒の自己口腔衛生観に変化があったか、教育効果を評価していく予定である。
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