研究概要 |
細胞はラット由来骨系細胞、ヒト歯根膜由来細胞を用い、機械的刺激は試作2号機と同様24時間前培養を行った後1ヘルツ6時間周期にて断続的に48時間、10%の変形による負荷を行った。対照群は、同じサイクルでdishとともに平行移動するcyclic control群を用いDNA,ALPの測定を行った。骨系細胞では72時間後、試作2号機と同様な細胞の増加傾向とALPの低下傾向が見られた。歯根膜細胞では実験群では有位な差は認められなかった。次に、ラット由来骨系細胞で8時間周期で作用時間の検討を行った。30分(計90分)の系で、培養96時間では対照群との差は認められないが144時間の実験群で、DNA量は対照群より増加傾向を示し、ALP活性は静置した静置対照群、cyclic control群より有位に低かった。60分(計180分)の系でALP活性は実験群は静置群より有位に低い値を示した。しかしDNA量においては有位な増加傾向はなくcyclic control群のDNA量、ALP活性共に有位な差が認められた。細胞の増殖分化をコントロールする要因として、変形による機械的外力、作用時間、外力負荷に付随する培養液の撹拌も関与すると考えられた。同様な断続的負荷120分を1日4回(計480分)加え前培養期間24,48時間(培養期間72時間)で比較した。両群においてDNA量は、90分負荷群や180分負荷群のような有位な差は見られなかった。ALP活性は48時間前培養(480分負荷)を行った群ではcyclic control群に対して高い値を示した。一方24時間前培養(960分負荷)を行った群も対照群に対してやや高い値を示したがその差は少なく、負荷時間を多くすることにより増殖は抑制され分化が助長される可能性が考えられた。
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