研究課題/領域番号 |
06772037
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
堤 博文 日本大学, 歯学部, 助手 (30188594)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 歯科法医学 / 物体検査 / 歯髄 / DNA / D1S80 / HLADQα / 出現頻度 |
研究概要 |
歯の各組織のうち、主として歯髄についてDNAを抽出し、PCR法を応用してシングルローカスD1S80座位ならびにHLAクラスII抗原遺伝子DQα座位を増幅し、それらの多型について検討した。 【試料】歯科診療時に採取した新鮮歯髄、ならびに1〜23年間室内保存の抜去歯から採取した陳旧歯髄を用いた。DIS80型では30例、HLADQα型では140例について検討した。 【結果・考察】歯髄から得られたDNAは、低分子化している場合が多かった。D1S80型のallele sizeは約300〜800bpと比較的大であるので、歯髄DNAからの型判定はやや困難であり、また目的以外のバンドが多数認められた。そこでPCR条件を各種検討した結果、温度条件を変えたところ、多少エキストラバンドが減少する傾向が認められた。現在は、PCR増幅する際の鋳型DNAの濃度、プライマー、DNAポリメラーゼなどの至適濃度について、より詳細に検討中である。 HLADQα型のallele sizeは242/239bpであり、低分子化した歯髄DNAからのHLADQα型判定は容易であった。しかし、検査時に非特異的反応が生じる場合が認められたが、鋳型DNA量を減らすことによって良好な成績が得られた。歯髄140例についてHLADQα型検査を行った結果、対立遺伝子の出現頻度は3型が48.2%、1.3型17.5%、1.2型14.3%、4型12.1%、1.1型7.5%および2型0.4%であった。また遺伝子型は、21type中16typeが出現し、その出現頻度は1.3-3型が31例(22.1%)と最も多く、ついで3-3型28例(20.0%)、1.2-3型24例(17.1%)の順であった。また、23年間保存した陳旧試料からもHLADQα型判定は十分に可能であったことから、法医鑑定には非常に有効な検査法と考えられる。
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